さて、我がポートフォリオ最大構成銘柄であるクックパッド(2193)の2018 年 12 月期第2四半期決算の発表が8月9日にありました。
一夜明けた8月10日の株価は、決算内容が投資家の失望を買う展開となり、前日比▲9.92%という大暴落を招きました。
※株価グラフ
さて、今一度、自ら目でクックパッドの2018 年 12 月期第2四半期決算の内容を見ていきたいと思います。
業績は大きく悪化・・・
数値だけ見ると、庇いようがないレベルの下落トレンドとなっています。
(それでもROSが26.7%って、モノづくりをしているメーカーからしたら、目が飛び出るような収益性ですね)
では、なぜ業績が悪化しているのでしょうか。
そしてこの下落トレンドは続いていくのでしょうか。
大きいところで言うと、①会員事業がへくった、②広告事業がへくったという形になっています。
①会員事業
IR資料によると、通信キャリアと展開するレベニューシェア型の売上高が減少したとされています。
通信キャリアと展開するレベニューシェアとは?という方に簡単に補足しておくと、ドコモが展開する「dグルメ」にクックパッドがプレミアム会員(有料)に提供している人気順検索を提供し、その代りにユーザーから得た収入をシェアしましょうというビジネスモデルです。
ドコモとしても、「dグルメ」が該当するスマートライフ領域は、伸ばしていきたい領域なので、これ以上マイナストレンドが続くようなら、何らかテコ入れがあってもおかしくないでしょう。
なので、僕としてはあまり悲観的に見てはいないです。
どちらかと言うと、プレミアム会員の推移が堅調なことがポジティブ材料だと思います。
料理動画が脅威だと言われつつも、お金を落としてクックパッドを利用している人が増えているというのは疑いようのない事実なので、お金を落とさない無料会員が、料理動画に流れている形なのでしょう。
ちなみにもう一つポジティブな材料を言うと、海外の利用者数が順調に伸びていることです。
国内の月間利用者数が2Qで5,559万人だったことを踏まえると、海外もかなりの規模感になってきていますね。
②広告事業
一方、無料会員が料理動画に流れた影響を受けたのが、広告事業です。
広告主からすれば、別のその人がプレミアム会員がどうかなんて関係はありませんから、当然より人が見てくれる場に広告を出したいという力学が働きます。
となると、無料会員が料理動画に流れているであろうクックパッドの広告出稿は少なくなってもしょうがないという感じですね。
一応、IR資料には、内部要因として広告事業にかける工数を抑えいたとしておりますが、じゃあ工数を掛けたから、広告事業の売上を上げれるかというと、なかなか難しいと思います。
期待は新規事業
会員事業はポジティブな材料があり、広告事業はなかなか厳しそうというのが、ざっくりとした状況だと思います。
とは言え、そんなことは僕がわざわざ纏めなくとも、クックパッドの人は十分過ぎるほど分かっていると思います。
そしてクックパッドは以前ご紹介した通り、魅力的なデータを蓄積した企業でもあります。
そんなクックパッドが見据える新規事業は、「スマートキッチンサービスOiCy」、「料理が楽しくなるマルシェアプリ「komerco-コメルコ-」」、そして「生鮮食品のネットスーパー事業」などなどです。
詳細はIR資料に譲ります。
http://pdf.irpocket.com/C2193/N9qg/FlWk/ahRk.pdf
なかなか、未来を感じさせるようなサービスになっています。
僕自身は参加できませんでしたが、決算説明会の質疑応答を見てみると、上記の新規事業についての質問も出ておりました。
基本は「いつからどれくらい儲かるのか」という質問でしたが、それに対する回答は「マネタイズにはまだ時間がかかりそう」というものでした。
企業側は下方修正を嫌うため、確度が高くなと明言しないというスタンスを取ります。
「マネタイズにはまだ時間がかかりそう」というのは、「企業内では当然事業計画を作成して、いつ頃からどれくらい儲かりそうという計画はあるものの、自信を持って株主に言えるほどまだ確証を得ていない」という風に読み替えても問題ないと思います。
ですので、直近数か月でどうこうなる話ではないと思いますが、場合によっては、1年以内で結果が出てくるなんていう展開もあるかもしれません。
まぁなんでもいいんですけど、僕はホールドしておきます。