経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

メディアフラッグ(6067)企業分析①

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今回も読者の方にリクエスト頂きました企業について分析したいと思います。

今回は、メディアフラッグ(6067)です。
第一回目ということで、今回はまず企業概要から見ていきたいと思います。

企業概要

メディアフラッグは東証マザーズ上場で、時価総額が42億円(2018年2月20日現在)。

メディアフラッグは流通店舗(小売店)におけるマーケティング支援を展開する企業です。
ここでいうマーケティング支援は、小売店側に提供する場合もあれば、メーカー側に提供する場合もあるようです。

流通小売業に特化する上で、同業界出身者が多数所属していることを強みとしているようです。

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事業概要

では、マーケティング支援はどのようなことをやっているのかというと、具体的には下記の3つになります。

①営業支援

営業支援は基本的にメーカー側にたったサービスになります。
・販促施策を打っても売り上げが上がらない、
・営業人員が不足していて店舗の状況が把握できていない、新規開拓ができていない
・メーカー側のコンセプトを棚作りに反映したい
などなどの時に営業代行のような形で行うサービスです。

あとは、小型電子POPの開発・販売も行っているようです。

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②流通支援

逆に流通視点は小売店側にたったサービスになります。
・自社店舗の課題を把握したい
・本部の理念が反映されているか把握したい
などなどの時に覆面調査や出口調査なんかを行うサービスです。

ここは以前分析したMS&Consulting(6555)と同じモデルで、一般人を雇う→研修する→送り込むというスキームで安価でサービス提供しているようです。

www.con-invester.com

ちなみに、MS&Consultingと同様に、調査結果を踏まえた改善に向けたコンサルティングサービスも提供しているようです。

③ASP

Application Service Providerの頭文字を取ったASP。
ネットワーク経由によってソフトウェアを提供することを指します。

具体的にメディアフラッグが何をやっているかというと、①の営業支援で吸い上げた情報をリアルタイムでメーカーに提供するものです。

リアルタイムで、しかも加工しやすい形でデータを貰った方がメーカー側も使いやすいですからね。

④和菓子製造販売

マーケティング支援は上記の③までで終わりですが、メディアフラッグはもう一つ事業を展開しています。
それが、覆面調査や店舗ラウンダー業務を通じて蓄積した店舗運営・流通ノウハウを活用した和菓子製造販売事業です。

割とネタに近い事業になっているので深くは触れませんが、興味がある方は下記URLからどういった商品を取り扱っているか見てみてください。

www.tokachi-tachibana.co.jp

業績

メディアフラッグの業績は、まぁなんというとイマイチという感じになっています。

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ROSも低水準であるだけでなく、売上高もFY15から減少傾向です。

これ以上このグラフからは言えることがないので、少し踏み込んで見ていきたいと思います。

次がセグメント別の営業利益推移です。

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右のパーセンテージがFY16のROSです。
ROSが相対的に低い営業支援(所詮人派遣ビジネスなので)だけが伸び、ROSが高い流通支援やASPが横ばい、そして和菓子製造販売が赤字事業であるという形になっています。
(あれ?和菓子製造販売は蓄積した店舗運営・流通ノウハウを活用しているんじゃなかったっけ?)

一点注意しなければいけないのが、メディアフラッグが公開しているセグメント別の業績には、本部コストなどが按分されていないため、精緻に按分するともっとROSが下がる形になります。
(故に、全社のROSがFY17で4.6%になっています)

と、ここまででは、イケている企業とは言えませんが、飽く迄も株価は将来への期待で値付けされるものです。
次回はメディアフラッグ事業の参入障壁の有無や、戦略志向について見ていきたいと思います。