経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

ファーストロジック(6037)企業分析②

スポンサーリンク

さて、前回の続きです。
(前回行いましたファーストロジックの企業分析はこちらになります)

www.con-invester.com

市場の見通し

不動産投資のニーズとしては直近足元を見れば伸び続けている状況です。
それは、国をあげての副業煽りの賜物だと思います。

働き方改革という錦の御旗を得た不動産各社がせっせと投資用物件を建設し、日銀の低金利政策により繰り出されるレバレッジと言う名の錬金術が背中を押す形で、直近数年で多くの方が不動産投資市場に参入している模様です。

prtimes.jp

日本人は人類きっての勤勉さを有しているので、副業においても手を抜かず頑張って不動産投資を行うと。

その結果、人口が減り始めている日本において、住宅着工数が増えるという不思議な現象が起きています。

f:id:con_invester:20180126184409p:plain

ですが、世界の投資家はしたたかで、東京五輪を控える日本を既に見放しているようです。

jbpress.ismedia.jp

記事によると、東京五輪までに売り抜けようと既に動き始めているようです。
まぁ売るとなると買い手が必要で、そこでババを引かされるのが日本人だという話の展開は想像に難くないのですが、いずれにせよトランザクションが行われる以上、プラットフォームを運営するファーストロジックにとってはポジティブに働くと思います。

となると、一番きついのは五輪直前か直後に不動産の価格が下げに下げ、売るに売れないような展開だと思います。
トランザクションが活発に行われないと、結局ファーストロジックにお金が落ちませんからね。

目標株価

最後に簡易的ではありますが、目標株価について書いておきます。
「EBITDA成長率」「EBITDA倍率」という2つ変数で目標株価について算出したいと思います。

前提

EBITDA Margin :FY2017値である48.0%が今後も一定と仮定
Net Debt :FY2017値である-20億円(無借金経営)が今後も一定と仮定
少数株主持分 :FY2017値である0が今後も一定と仮定
発行済み株式数 :2018年1月6日現在の11,771,600株が今後も一定と仮定

ケース

EBITDA成長率 :FY15-17LTMのEBITDAのCAGRである14.9%、その半分の成長率、ゼロ成長の3ケース
EBITDA倍率 :現在値である11.4xとそこから+2.0、+4.0をした3ケース
(類似企業の倍率を使おうと調べてみたのですが、同規模の専門情報サイトを運営する企業の倍率は50-80xとなっており、さすがに天文学的な数字は使えないと考え、+2.0、+4.0という形で置いています)

試算結果

f:id:con_invester:20180127120337p:plain

最大ケースでは、1,914円と試算されました。
かなりEBITDA成長率、EBITDA倍率ともにかなり保守的においていますが、それでも現在値の2倍程度になる試算です。

前述の通り、2020年の東京五輪の前にはファーストロジックにとってネガティブな市場環境になっていることが想定されるので、中期(1年~1年半程度)で勝負する銘柄としては非常に有望なんじゃないかと思います。

ちなみに、ファーストロジックは米ファンドのケイン・アンダーソン・ラドニックが大量取得しているようですね。

www.nikkei.com