今回は最近注目していたファーストロジック(6037)について分析したいと思います。
企業概要
ファーストロジックは2015年にマザーズに、2016年には東証一部に上場し、現在(2018年1月24日時点)の時価総額は115億円となっています。
事業としては不動産投資のマッチングサイト(楽待)を運営しています。
不動産投資物件のマッチングサイトでは、掲載物件数、利用者数ともに業界1位であるようです。
※FY17時点で掲載物件数66,000件、会員数94,000人
事業概要
では、具体的にファーストロジックがどのような事業モデルで、どのように収益を獲得しているか見ていきたいと思います。
不動産で見たとき、賃貸マッチングや売買(居住用)マッチングはHOME'SやSUUMOなどの巨人が幅はを利かせていますが、ファーストロジックは投資用に特化することで独自のポジションを築いています。
賃貸や売買の場合は、取引をしたタイミングで顧客との接点がなくなってしまいますが、投資用の場合は買った物件を運営・管理しなければいけませんし、将来的にはリフォームや売却のニーズが出てきます。
ファーストロジックはそこを"面"で捉えることで、顧客との接点を継続的に築くことを志向しているようです。
収益源としては、物件や広告の掲載料、特定会員への物件紹介手数料、査定やリフォームマッチング手数料になります。
前述の通り、不動産投資家のニーズを面で捉えることで、通常のマッチングサイトの収益源である物件掲載料などに留まらない収益源の確保を実現しています。
(賃貸や売買のマッチングサイトであるHOME'SやSUUMOは単一収益源ですからね)
業績
そんなファーストロジックの業績ですが、こちらも順調に拡大中です。
驚くような圧倒的な収益性です。
ネット企業だとROS20-30%程度珍しくないのですが、驚愕の40-50%という高収益性。
日本一賃料が高いという噂もある丸ビルにオフィスを構えながらもこの収益性は恐ろしいですね。
株価
一方で、株価は冴えない状況が続いています。
2015年6月には2,500円を超えた株価も、現状は半値以下の970円前後で推移しています。
原因は急ピッチに伸びていた業績への警戒感と直近まで直面していた東証二部降格問題でしょうか。
(参考:「当社株式の市場二部への指定替え猶予期間(株主数)入りに関するお知らせ」http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1531805)
これは東証一部上場の条件である「株主2,000名以上」という基準を満たしていなっかたため起きた問題でした。
とはいえ、今年1月15日には無事に株主数が2,000名を超えたということで、猶予期間が解除されています。
但し、そもそも不人気銘柄であったが故に株主が2,000名を下回っていたという問題があったので、東証二部問題が解決しても株価は停滞したままです。(或いは、再度株主数が2,000名を下回ることへの警戒があるのかもしれません)
ですが、これだけキャッシュを生み出せる恐ろしい企業なので、仮に業績が一定であったとしてもしっかり株主還元していってくれるのであれば、株価は十分に伸びていくのではないかと思います。
次回は今後の市場およびファーストロジックの業績の見通しを踏まえ、目標株価について分析していきたいと思います。