8月7日に平安レイサービスの2018年3月期1Q決算が発表されましたので、その結果を纏めたいと思います。
営業利益は減少も無難な結果
前年同期比で、売上高が+0.2%、営業利益が-9.7%という結果になりました。
後ほどセグメント別の業績で詳述しますが、最大セグメントである葬祭事業の減少が全体に大きなインパクトを与えています。
但し、2016年3月期1Qが大きく伸びていたこと(営業利益:+37.1%)もあり、低迷しているといった結果ではないと思います。
もう少し深掘るためにセグメントに分けて結果を見ていきたいと思います。
「葬祭事業」「介護事業」が減少するも「冠婚事業」は好調
葬祭事業
まず、全社売上8割を占める葬祭事業です。
IR資料によると、葬儀が小規模傾向にあり、一件当たりの単価が減少したことにより、利益額が減少したとしています。
また、「シェア率が下降した」との記載もあり、小規模傾向の影響は競合以上に受けたと想定されます。
葬祭事業は顧客(家系)との繋がりが非常に強いという事業特性があります。
これは一度獲得した顧客(家系)が他社に流れてしまう可能性が他事業と比して低い一方、既存顧客の傾向というのを断ち切ることが非常にハードルが高いことを意味します。
ですので、既存顧客に葬儀の小規模傾向があるとすれば、この問題は長期化する可能性があります。
葬儀の小規模傾向については今後の決算でも要チェックポイントになると思います。
介護事業
次に介護事業です。
前年同期比で売上高は+4.3%、営業利益は-61.5%という結果でした。
減益理由は「小規模多機能型居宅介護複合型施設と認知症対応型共同生活介護を備える「へいあん片瀬鵠沼」の開業費用が発生したことによる」としていますが、介護事業の利益創出力からしてかなり重い投資であったことが分かります。
(営業利益が6割減してしまうほどですからね)
まぁ、介護事業は収益の柱というよりも葬祭事業への送客が主の役割であると想定されるので、赤字にならない限り問題はないかなと思います。
冠婚事業
最後に好調だった冠婚事業です。
前年同期比で売上高は+27.4%、営業利益は+162.5%という結果でした。
増収増益の理由は「婚礼施行組数の増加」「オリジナル商品による単価上昇」であったしています。
特に、営業利益の上がり方からいって、「オリジナル商品による単価上昇」というが大きかったのでしょう。
「婚礼施行組数」は今後減少していくというのが市場の流れですので、「単価上昇」を実現できたことは非常にポジティブな結果です。
事業構成比自体は大きくありませんが、冠婚事業の業績推移というのも今後の要チェック項目ですね。