経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

ダイイチ(7643)2017年9月期3Q決算

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8月1日にダイイチの2017年9月期3Q決算が発表されました。

相変わらず堅調な推移

2017年9月期3Qの結果も堅調な結果となりました。

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営業利益が微減となっているのは最低賃金の上昇と人手不足による人件費の増加がジワリと効いてきた感じでしょうか。
下記は、食品スーパー各社(ダイイチと同規模)について縦軸に販売管理費増減率、横軸に売上増減率をプロットしたものです。(増減率は各社とも直近決算値およびその前年同期値から算出)

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当然ながら売上増減率と販売管理費増減率は比例するのですが、グラフを見る限り、各社とも売上の増加(減少)よりも販管費の増加(減少)の方が大きく(小さく)なっています。
人件費の上昇は不可避ですので、ダイイチの3Q決算における営業利益の微減については、心配する必要はないかなと思います。

イトーヨーカ堂との連携状況

決算短信では資本・業務提携したイトーヨーカ堂との連携状況について下記のように記されています。

株式会社イトーヨーカ堂との取り組みにつきましては、厳しい販売環境において、引き続き情報の共有化を積極的に図るとともに、共同販促の更なる推進と商品の統一を推し進め、店舗競争力の強化と商品力の向上に努めております。

 完全な推測の域を出ませんが、まだまだ連携が限定的な書きっぷりな気がします。

そもそも、ダイイチとイトーヨーカ堂は2013年7月に資本・業務提携を行いました。
資本・業務提携の目的は、①商品力の共同開発による集客力の向上②共同調達およびインフラ相互利用によるコスト低減とされていました。

その結果を見てみると、売上高は5年間で20%程度上昇しているものの、原価率や販売管理費率などはほとんど変わっておらず、②の部分で提携効果を発揮できていないと思われます。(売上増も提携効果か分かりません)

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f:id:con_invester:20170803110701p:plain(FY2017値は3Qまでの累積値を4/3倍して算出)

資本を30%も突っ込んでおいて、このまま終わるとは考えにくいので、今後は更なる連携が行われ、ダイイチの業績向上に大きく貢献していくのではないかと想定しています。