さて、村上世彰氏の「生涯投資家」を読んでこれまでの「競争力があり、キャッシュ創出力から見て株価が割安である企業」という投資基準に加え、「時価総額に比して保有キャッシュが多い企業」という基準を設けたいなと試行錯誤していました。
「時価総額に占める保有キャッシュ割合」の落とし穴
「生涯投資家」を読んだ直後は「時価総額に占める保有キャッシュ(ネットキャッシュ)割合」が100%を超える銘柄という形で抽出を行いました。
実際にそこで抽出されたサン・ライフという企業の分析も行いました。
しかし、そこには落とし穴があり、上記保有キャッシュ(ネットキャッシュ)には企業自身が保有しているキャッシュに加え、有利子負債を除く負債として調達したキャッシュも含まれてしまっているわけです。
(その辺については、読者の方のご指摘を受けて以下の記事に纏めました)
4つのスクリーニング基準と抽出企業
前述の反省を踏まえ、新たに3つの基準を設けました。(合計4つ)
①「時価総額に占める保有キャッシュ(ネットキャッシュ)割合が100%以上」
②「自己資本比率が60%以上」
⇒株主に還元できる企業に帰属する現金が十分にあるか?
③「直近当期純利益が黒字」
⇒業績が著しく悪く市場から見放されているだけではないか?
④「PERが15.0x以下」
⇒既に分析することが無意味なくらい株価が高止まりしていないか?
(本当はEBITDA倍率を使いたいのですが、保有キャッシュが多いと企業価値がマイナスになってしまうので使用できず・・・)
という合計4つの基準でスクリーニングを行った結果が以下になります。
合計15社が抽出されました。
簡易的なスクリーニングでもしかしたら、直近年だけ黒字だったみたいな企業も混ざっている可能性もあるので、今後時間を取って1社1社みながら分析していきたいと思います。