さて、前回の続きです。
(前回行いましたスタジオアリスの分析はこちらになります)
写真館事業の比較
前回、「スタジオアリスとキタムラの写真館事業は収益性を分ける大きな差異はない」と記載しましたので、改めて両社の写真館事業の比較を行いたいと思います。
スタジオアリスはスタジオアリスとして、キタムラはスタジオマリオとして写真館を運営しています。
両社のロゴは恐ろしい程類似しており、価格帯も基本的には同じで、衣裳を何回着替えても無料というサービスも酷似しています。
衣裳や背景等に用いるキャラクターに差異(スタジオアリスがディズニー、スタジオマリオがポケモン等)はありますが、このキャラクターの差異がこれほどまでに収益性に差を生むとは考えにくいです。
(※飽く迄収益性の観点での差異です。細かいサービスの差異は比較サイトにお任せします。)
戦略志向
前回も言及した通り、スタジオアリスの戦略は「顧客ターゲット」の拡大です。
顧客ターゲットに応じて異なるブランドを確立しています。
子供向けである既存の「スタジオアリス」に加え、赤ちゃん向けの「スタジオアリスBaby!」、ブライダル向けまで扱う「スタジオアリスHULULU」、成人式向け(振袖)の「ふりそでAlice」、ペット向けの「スタジオわんわんアリス」等です。
ブランド分けはしていませんが、水族館に出店したり、マタニティフォトを提案したりと、顧客年齢やシチュエーションを多用化することで、「顧客ターゲット」を拡大しています。
市場自体は年々縮小傾向にありますが、全世代のあらゆるシチュエーションまで対象を広げることで、シェア拡大が期待できます。
しかしながら、現状からガンガン成長していくとい絵が想像し難いのも事実です。
株価推移
株価は約4年で2倍になった後、直近高値の2割減の水準で推移しています。
但し、PERも徐々に低下している状況で、ノックアウトになる水準ではなさそうです。
(超低利益水準となっている競合とは単純に比較はできないのですが、参考までに)
目標株価
最後に簡易的ではありますが、目標株価(ターゲットはFY19)について書いておきます。
現在の一株当たり純利益が177.5円、株価が2,345(2017/4/25時点)、PERが13.2倍
利益成長率とPERの感応度分析結果が下記になります。
利益成長率は、EPSのCAGR(FY12-16)15.4%と(FY11-16)2.6%、ゼロ成長の3ケース
PERは、東証一部平均の16.1倍を最大とし、最大値と現在値の平均値、現在値の3ケース
最大ケースでは、4,400円と算出されました。
個人的にはFY12-16のEPS成長はかなりアグレッシブであり、FY11-16水準が一つの目線かなという気がしています。
従って、右端二段目の3,094円が一つのターゲットになると考えています。