経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

コンドーテック(7438)企業分析②

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さて、前回の続きです。
(前回行いましたコンドーテックの分析はこちらになります)

con-invester.hatenablog.com

株価・倍率

業績の拡大に伴い株価も順調に上昇しています。

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但し、競合と比較しPERが高いという水準ではなさそうです。(低いという訳でもありませんね)

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戦略志向

コンドーテックは、①製品ラインナップ拡充②海外進出の2つの方向性にて、M&Aを絡めながら事業強化を志向しています。

①製品ラインナップ拡充

これは既存事業において製品開発やM&Aにより製品ラインナップの拡充を行うことに加え、隣接する業界を取り込み、新規事業を確立することも想定しているようです。
その一つが三和電材の買収であったと想定されます。
建材の製造まで行うというユニークなビジネスモデルや、多少飛び地であっても積極的に進出する企業文化は非常に魅力を感じます。

とは言え、三和電材の業績は他セグメントに大きく劣後している状況であり、買収した事業を一事業として成長させることができれば、企業として”化ける”ことになるでしょう。

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②海外進出

2012年にタイに現地法人を設立して以降、更なる強化を志向しています。特に建築資材の需要が旺盛なASEANについてはM&Aも活用しながら事業拡大することを掲げています。
こうした動きは市場環境に対する危機感があるからでしょう。

高橋カーテンウォールやタケダ機械でも触れましたが、短期的には東京五輪関連施設需要、都市部の建設プロジェクト需要、国土強靭化基本計画に伴うインフラ整備需要に支えられる形で、建設需要が堅調に推移していますが、2020年の東京五輪以降は縮小していくことが予測されています。 

戦略も極めて簡潔かつ明確であり、伸びていく市場に布石も打つことができており、企業戦略としてとても優れていると考えています。

目標株価

最後に簡易的ではありますが、目標株価(ターゲットはFY19)について書いておきます。
現在の一株当たり純利益が86.6円、株価が947円(2017/3/21時点)、PERが10.9倍

利益成長率とPERの感応度分析結果が下記になります。

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利益成長率は、12-17のEPS CAGRである16.50%%とその半分、及びゼロ成長の3ケース
PERは競合企業平均である13.0倍を最大とし、競合平均と現在値の平均値、現在値の3ケース

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最大ケースだと1,777円という試算になりました。

 PERは既に競合と同水準まで上がっていますが、EPSが今後も拡大していくことが想定されるため、1,777円はあくまで通過点として考えています。