このブログのメインは企業分析ですが、サブコンテンツとして投資の考え方や分析方法等についても触れていこうと思います。
今回は僕が中小株メインのバリュー投資家になった経緯について書きたいと思います。
大型株の複雑性
繰り返しになりますが、僕は新卒で経営コンサルティングファームに入社しました。
大企業のサポートをさせて頂く中で、感じた事は”誰も企業について正確に理解していない”ということです。
①経営陣や社員の方でさえも理解できていなかった
隣の事業部の事業について理解していない社員の方にも大勢お会いしてきましたし、
大きな意思決定を行うことが仕事である経営陣が、全ての事業について深い知識や理解を持っていることは非常に稀だと思います。
「大企業にいるようなエリートに限って・・・」「経営陣のような偉い人に限って・・・」と思われるかもしれませんが、これが実態です。
実際のプロジェクトでも、経営陣や隣の部署に対して、外部者である僕たちコンサルタントが各事業部がどんな事業をやっているかを説明したこともあります。
②僕自身も理解できなかった
それもそのはずで、大企業には複数の事業が存在し、それらが何十という関係会社を傘下に収め、日々世界中で事業を行っています。
例えば、パナソニックがどのような企業か正確に説明できる人がどれだけいるでしょうか?
パナソニックのような聞き慣れた超有名企業でさえ、説明は困難です。
どこの国で、どんな事業を行い、どれだけ儲かっているのか。
どんな関係会社があり、どんなアライアンスを組んでいるのか。
競合はどこで、どのように差別化しているか。
そもそもどんな事業を行っているのかを理解、説明するのも一苦労です。
一応セグメント分けこそされていますが、その下にはいくつもの事業部があり、それらが異なる市場で、異なる戦略の下で事業運営しています。
アウトサイダーはもとより、インサイダーでさえ、どの事業がイケてるのか、イケてないのかを把握するのは困難です。
まとめ
勿論、中小型株も100%理解することはできません。
しかし、相対的により深い理解が得られるのは中小型株であるということは間違いありません。
このように、僕自身が大企業であるクライントを正確に理解できなかったこと、経営陣や社員の方々でさえ正確に理解できていないと知ったこと、がよりシンプルで複雑性が少ない中小型株の投資家になろうと考えた経緯の一つです。