経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

ライトアップ(6580)企業分析②

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さて、前回の続きです。
(前回行いましたライトアップの分析はこちらになります)

www.con-invester.com

競争優位性

結論を書くと、僕自身はライトアップの競争優位性はないと考えています。

 

中小企業をネットワーク化し、そこに対して研修などの商材を販売し、場への登録料や販売マージンを稼ぎつつ、自社の研修やコンサルティングを差し込んで収益をあげるビジネスモデルです。

まず、僕がイケていないと思うのが、メインの商材が研修であること。

研修と言うのは、その結果がお金として非常に見えにくいものです。

それに対してお金を継続的に払わせるというのは、情弱の人たちから搾取するようなモデルです。

この手のビジネスはリクルートが得意しており、度々批判されるビジネスですね。

余談ですが、リクルートは利益率が異常に高く、そんな利益率を自分のお客さんにばれるわけにはいかないので、IR上ではかなりセグメントがまとめられた状態で公表されています。

そう考えると、ライトアップも「全国、全ての中小企業を黒字化する」とぶち上げるわりには、提供する商材は研修だし、利益率も異常に高いという状況で、なんとなく似ている臭いを感じます。

本当に困っている企業が、研修のために数十万~数百万円なんて使いませんからね。

まぁ、この手のビジネスは、カスタマーサクセスなくして成功はありませんから、持続的に成長していくことは難しいじゃないでしょうか。

boxil.jp

参考までですが、「カスタマーサクセス」という概念は非常に重要なので、気が向いた方は是非上記リンクを読んでみてください。

株価推移

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株価は、上場日に3,950円をつけたあと、そこからはずるずると下がり続けています。

その原因としては、ビジネスモデルがイケてないということよりも、株主構成の影響が大きそうです。

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緑で網掛けしているのは、VCの人々です。

合計すると、約47%です。

VCの仕事は長期的に上場企業の株式を保有することではありませんので、市場に放出されることが前提になります。

そして、彼らのロックアップ期間は90日間なので、下手したらもうすぐ大量放出される可能性があります。

 

そもそも、このライトアップの上場自体、少し闇がありそうです。

ライトアップが上場時に市場に出した株式数は710,000株です。

そのうち、公募株数は150,000株(市場に出した株のうち21%)のみです。

残りの560,000株は売り出し、すなわち保有者の利益確定のために売り出されただけです。

わずか数億円を新規調達しただけで、他はVCなどの既存投資家が儲かるだけの上場です。

おそらく、VCにお尻を叩かれ、ライトアップとしては上場の必要性がないのに上場したというところでしょう。

実際、財務キャッシュフローは継続的にマイナス(借金を返済しており、お金に困っていない)ですし、現金は積みあがっていく一方です。

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さて、結論です。

僕は買いません。