さて、今回は大型株である京浜急行電鉄(以下、京急)の企業分析を行いたいと思います。
本来であれば僕自身の守備範囲外の規模なのですが、今回読者の方から分析リクエストがあり、且ついつも聞いているVoicyの「ベンチャーニュースで言いたい放題」というチャンネルでちょうど京急のアクセラレーションプログラムについての投稿があったので、これは何かの運命だなと思い、分析させて頂いた次第です。
企業概要
もはや説明にする必要はないかもしれませんが、ここはいつものテンプレを守ってしっかり記載したいと思います。
京急は東証一部上場の大手私鉄で、横浜や品川、川崎などの大きな街から三浦半島まで線路が伸びており、羽田空港という巨大なポテンシャルを持つエリアまでカバーしています。
時価総額は6,053億円(2017/12/13時点)という巨大企業です。
業績・事業構成
次いで業績と事業構成を見ていきたいのですが、ここは他の鉄道プレーヤーと比較しながら見ていきたいと思います。
僕自身、鉄道領域に疎く各社の規模感についてあまり分かっていなかったので、下記の表だけでも中々面白いです。
JR三兄弟(JR東日本、JR東海、JR西日本)に加え、東急や近鉄も1兆円プレーヤーなんですね。
今回分析対象としている京急は14番目の規模感で、3,070億円の売上高となっています。
そしてこの業界の何が凄いって売上の安定性。(見方を変えると成長性のなさ)
2012年の売上高を1.0とした時に各社とも1.0-1.2のレンジで推移しています。
(近鉄グループHDはFY13にKNT-CTホールディングスを連結会社化により売上が増加)
とは言え、一口に鉄道企業と言っても事業構成は各社で微妙に違うんですね。
JR三兄弟は路線距離が長く、且つ新幹線を持っていることから全社に占める鉄道事業割合が他社に比べ圧倒的に高いです。
対する京急ですが、JR三兄弟を除けば鉄道事業割合が相対的に高いと言えます。
(東武鉄道とTOP2という感じですね)
鉄道事業は、路線を敷くと周辺の地価が上がるという素晴らしい事業です。
つまり丸ごと土地を仕入れて、路線を敷いてしまえば自身が調達した土地の価格も上がるという自作自演が可能なわけです。
そんな魅力的な土地を活用し、小売や飲食などの流通業、オフィスや住居などの不動産事業、ホテルやレジャー施設などを展開し、路線自身を益々魅力的にしていくというモデルなわけです。
ドル箱と言われる東海道新幹線を持つJR東海の利益率はお化け状態になっていますが、その他の企業も営業利益10%越えの企業も多く、やはり素晴らしいビジネスですね。
利益率が10%未満である東急、近鉄、名古屋、小田急は鉄道よりも他事業の売上構成比が多いという傾向も見えてきます。
今回は鉄道事業全体から、他社と比較した時の京急の特徴といった点を見てみました。
次回は京急の今後の戦略や取り組みといった部分を見ながら、目標株価について見ていきたいと思います。