経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

クックパッド(2193)企業分析①

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今回はクックパッドについての企業分析を行いたいと思います。

企業概要

クックパッドは東証一部に上場する料理レシピのコミュニティウェブサイトを運営する企業です。
時価総額は803億円(2017/11/5時点)です。
補足ですが、クックパッドは月次利用者数6,000万人以上、ユーザー投稿レシピ数250万品以上の日本最大のレシピサイトです。
(月次利用者数6,000万人って・・・笑)

そしてクックパッドと言えば1年以上も問題になっていた「お家騒動」ですね。
多角化に舵を切ろうとする当時社長の穐田氏と創業者の佐野氏が対立構造となり、これに呆れた幹部や社員が退職していったこともこの「お家騒動」に油を注ぎました。
最終的に、穐田氏が退任することで「お家騒動」の幕が下りました。

www.nikkei.com

事業構成

17年2Q時点では、「会員事業(クックパッドのプレミアム会員の売上)」が63.9%、「広告事業(クックパッド内の広告売上)」が30.8%、「その他事業(クックパッド関連書籍の監修料)」が1.1%、「その他インターネットメディア事業(サイタおよび料理教室)」が2.2%、「その他事業(みんなのウエディング等)」が1.9%という事業構成です。

色々やっていますが、クックパッドの会員料と広告料で全体の95%を占めています。

業績

業績はFY16まで順調に拡大するも、FY17予測では売上・営業利益ともに12-14%程度減少する見通しです。
(減少する云々の前に、ROSが50%程度のビジネスというのは見ただけでも涎が出ますね)

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やはり大きいのは、有料会員数が減少していることでしょう。
(第一四半期から第二四半期にかけて2万人減少)

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一番の原因は「料理動画(レシピ動画)」の登場でしょう。
この領域ではクラシルが有名ですね。
こうした新規参入者とどう戦っていくか。どう差別化していくかというのは次回詳述したいと思います。

株価

そんな「お家騒動」や「料理動画の攻め込み」など、ネガティブな材料(それも強力な!)のせいで株価はかなり苦戦している様子です。

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現状は直近3年の最安値水準で推移しており、EBITDA倍率は十数倍と決して異常値がついているわけではありません。

ここまでの論調で既にお分かりだと思いますが、僕自身はクックパッドは「買い」だと思っています。
次回はその理由である競争優位性と事業機会に触れながら、目標株価について書きたいと思います。