経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

三東工業社(1788)企業分析

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今回は先日抽出したキャッシュリッチ企業のうち三東工業社(1788)を分析したいと思います。

www.con-invester.com

企業概要

三東工業社は東証JQS上場で、時価総額は13億円(2017年7月24日時点)です。
滋賀県に本社を置き、土木事業、建築事業、不動産事業を展開しています。
割合としては、土木事業52.3%、建築事業47.1%、不動産事業0.6%です。
最大事業の土木事業では、主に官公庁向け(上下水道・道路等)を中心に受注しているようです。
次の主力事業である建築事業は自動車ディーラーの店舗建築なんかが主のようです。

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(※上記円グラフは不動産事業を除いた2事業)

時価総額と保有キャッシュ(Net Cash)

さて、キャッシュリッチ企業として抽出されているわけですから、一度どのくらいお金持ちなのか確認しておきましょう。

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FY16 3QからFY17 2Qまで間はNet Cashが時価総額を上回っていましたが、それ以外はほぼNet Cash=時価総額となっています。
(抽出は直近本決算値で行ったので差異が存在します)
時価総額が13億円の企業がNet Cashを12億円も保有しているというのは相当お金持ちですね。
とは言え、別の見方をすると事業価値が1億円(13 – 12億円)しかないとも言えます。

業績

業績は中々アツい推移ですね。
ほぼ利益が出ていないので、事業価値が1億円しかないと見なされてもしょうがないですね。
一つ光があるとすれば、直近3年は安定してプラスの益を出せるように改善が見られることでしょう。(売上高は減少傾向ですが・・・)

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どんなにお金持ちでもここまで稼ぎが良くないと、投資意欲は掻き立てられませんね。

PLの詳細項目

ここまでで既に投資意欲はゼロで、今すぐにでも分析を止めたいのですが、三東工業はなぜかPLの項目を詳細に開示しているので、最後にその部分に触れて締めたいと思います。

まず「交際費」の多さです。

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直近決算では1,000万円の交際費が計上されています。もしかすると地元企業として、取引先との接待が必要不可欠なのかもしれません。それでも当期純利益が6,400億円規模の企業が交際費を1,000万円も使っているのは多すぎると言わざるを得ません。
(仮に正当な交際費規模だとしたら、そこまでしないと仕事を取れないという競争力のなさの証拠となります)

次に「ゴルフ会員権評価損」です。

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これもなかなかアツいですね。現金をたんまり溜め込むだけに収まらず、ゴルフ会員権で評価損を計上するなんて、上場企業を私物化している典型例ですね。

これで本業が強ければ、コーポレートガバナンスの浸透と共に経営改善が行われ・・・というストーリーを描けるのですが、前述の通りそれもなかなか難しそうです。

今回から「資産ベース」で割安銘柄を分析していますが、いくら「資産ベース」で割安でも「収益ベース」で割安であるというのは必須条件ですね。