今回は読者の方にリクエスト頂きましたウエスコホールディングス(6091)の分析を行いたいと思います。
ウエスコホールディングス(以下ウエスコHD)は東証2部上場で、時価総額は64億円(2017/6/16現在)
企業概要
ウエスコHDは、元は建設コンサルティング業を行う西日本測量設計株式会社として設立されました。
その後社名替えを行い、持株化すると共に2013年に東証2部に上場しています。
建設コンサルティングとは
僕自身、ウエスコの主事業である建設コンサルティングが具体的にどんなことをする事業なのか事前知識としてなかったので、改めて調べてみました。
建設コンサルティングはバリューチェーン上の事業領域を広くカバーしています。
発注者側(主には行政)の企画評価から、調査、設計、施工管理、維持管理までが事業領域となっています。
なお、施工自体はゼネコン等が行うため、建設コンサルティングの事業範囲外のようです。
事業構成
事業構成は「建設コンサルティング事業」が86.4%、「スポーツ施設運営事業」が5.3%、神戸市立須磨海浜水族園の管理・運営を行う「指定管理事業」が5.3%、各種印刷・製本を行う「複写製本事業」が2.7%、不動産分譲・賃貸・住宅販売を行う「不動産事業」が0.3%という内訳です。
なので、ほぼ「建設コンサルティング事業」の一本足打法です。
「複写製本事業」「不動産事業」は本業とのシナジーが見込み辛く、すぐにでも切り離した方が良いと思いますが、内訳自体が軽微なので、まぁ無視できるレベルではないでしょうか。
(本業とのシナジーが見込めない事業が10%前後になるとコングロマリットディスカウントを考えなければいけませんが・・・)
業績
業績は正直なところパッとしないという感じですね。
売上直近3年増加傾向ですが、FY14水準を未だ越えられずにいます。
一応参考までにセグメント別の業績です。
「建設コンサルティング事業」の売上が圧倒的に大きいので、他事業のグラフが潰れてしまっている状況です。
利益率だけ見ると「スポーツ施設運営事業」が安定かつ相対的に高収益ということが分かります。
(ちなみに「不動産事業」のROSはFY14は-269.9%、FY16は12.8%という暴落暴騰となっています)
財務基盤
財務については実質無借金でピカピカの財務基盤を持っています。
それどころか年々ネットキャッシュが増加している状況です。
と、ここまでウエスコHDの現状を見てきましたが、正直、少し冴えない企業という印象を受けます。
但し、ウエスコHDの魅力は何と言ってもマルチプルの低さ(割安さ)にあると思います。(おそらくリクエスト頂いた読者の方もここに目をつけたのではないでしょうか)
その辺について、事業環境も踏まえながら次回詳述したいと思います。