経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

サンセイ(6307)企業分析①

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今回も読者の方からリクエスト頂きましたはサンセイ(6307)の分析を行いたいと思います。

サンセイは東証2部上場で、時価総額は21億円(2017/6/1現在)

 

企業概要

サンセイはビル用ゴンドラや舞台装置、船舶修理事業等を展開する企業です。

元々はよく高層ビルの窓を掃除する際に係の人が乗っているゴンドラをメインに展開していましたが、1993年に船舶修理事業を展開する旧林兼グループと合併し、両事業を手掛けるようになりました。

事業構成

事業構成としては、窓拭き用ゴンドラ他類似製品、舞台装置の設計・製造販売・据付及び納入製品の保守修理事業並びに付帯事業を展開する「ゴンドラ・舞台」が62.2%、船舶修理、魚礁・浮体式灯標の製作及び船員宿泊事業を展開する「海洋関連」が34.5%を占めます。

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なお、割合は小さいですが、「その他」として新築ビル用・既設ビルリフォーム用のゴンドラレンタルも展開しています。

業績

業績は横ばいで推移しており、良く言えば安定している、悪く言えば成長していない状況です。

いずれにしても、直近2年はROSが10%を超える水準であるので、ここまでは好印象です。

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セグメント別で見ても、売上、営業利益共に安定している状況です。

FY15のゴンドラ・舞台セグメン売上がへこんでいますが、これは消費税増税の反動だったとしています。
(たしかにFY14が少し異常値なので、FY14,15で均すと横ばい推移という感じですね)

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一方、ROSを見ると、海洋関連が20%を超える高収益事業であることが分かります。

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株価

株価は上下動を繰り返しながらも長期的に見るとしっかりと上昇しています。

2014年6月に170円だった株価は、直近では237円と約40%上昇しています。

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一方でサンセイのEBITDA倍率は2.9倍と脅威の低さです。

競合と比較すると、業界全体的に低い傾向がありますが、それでもサンセイのEBITDA倍率は低いと言えそうです。

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PERでもそうですが、EBITDA倍率が業界全体として低いということは投資家から期待されていないということの裏返しでもあります。

となると、今後のサンセイの伸びしろはサンセイ自身の戦略や独自の強みになると思います。

 

次回はサンセイが展開する事業構造を見た上でサンセイの戦略、及び目標株価について分析を行いたいと思います。