さて、前回の続きです。
(前回行いましたコメダホールディングスの分析はこちらになります)
競争優位性
まずコメダは下記ポジショニングの「ゆったり系」にカテゴライズされます。
価格帯的に競合となるのは星乃珈琲等ですが、星乃珈琲はルノアールや珈琲館と同様に、“老舗喫茶”というイメージで戦っているので、”自宅のようなくつろぎ空間”をコンセプトとしたコメダとはコンセプトが大きく異なります。
「ちょっと一息系」や「Third Place系」、「ゆったり系」でも”老舗喫茶”が、互いの領域の覇権争いを繰り広げる中、コメダは直接的な競合が少ない領域で戦っています。(間接的には全ての珈琲チェーンやコンビニ珈琲も競合になりますが・・・)
コメダのすごいところは、”自宅のようなくつろぎ空間”というコンセプトがFC店までしっかりと浸透していることです。
先日、あるコメダ珈琲店に行った時のことです。4,5組並んでいる時間帯だったのですが、僕の前に並んでいた5人の家族連れは8人席(4人席×2)に通されていました。
4人席に椅子一つ持ってきてという対応でもおかしくない状況だったのですが、しっかしりと”自宅のようなくつろぎ空間”というコンセプトが浸透していることを目の当たりにしました。
競合指標比較
競合と売上成長を比較しても、コメダが頭一つ抜け出している事が分かります。
一方、PERは競合と同水準に留まっています。
成長が確認されながらも、PERが競合と同水準ということで、割安である可能性が高いと想定されます。
(但し、個人的には業界全般的にPERが高い気がしますが・・・・)
株価
株価は上場直後に高値を付けた後、ズルズルと下がり、未だ高値を更新できずという状況です。
たしかにこれまで分析してきたように「のれん」の存在はありますが、「のれん」による悪影響が株価の重しになっていると言うより、「のれん」という複雑なものに対する嫌煙が株価の重しになっているように思います。
「のれん」をしっかりと理解すれば、十分に魅力的な投資対象として見ることができます。
目標株価
最後に簡易的ではありますが、目標株価(ターゲットはFY19)について書いておきます。
現在の一株当たり純利益が102.0円、株価が1,888円(2017/4/15時点)、PERが18.5倍
利益成長率とPERの感応度分析結果が下記になります。
利益成長率は、EPS(FY15-17)のCAGR17.8%とその半分、ゼロ成長の3ケース
PERは、現在値の18.5倍を最大とし、競合最小値と最大値の平均値、競合最小値の3ケース
最大ケースでは、3,087円と算出されました。
前述の通り、株価の重しになっているのは「のれん」への理解不足だと考えています。
市場参加者の多くに「のれん」への理解を浸透させることは、下手をすれば利益成長を継続させていくことよりも難しいかもしれません。
従って、個人的には株価は2,000円台半ばから後半が限界かなという気がしています。
(やはり、PERが20倍弱というがネックかと・・・)