経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

「資本提携」×「中小型株」で儲ける

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中小型株に有利に働くスペシャルシチュエーション第2弾になります。
(第1弾のTOBについての記事はこちらになります)

con-invester.hatenablog.com

今回は資本提携です。

資本提携とは?

よく株式の持ち合いと一色単にされ易いのでここで明確な差異について説明しておきたいと思います。

資本提携とは事業上の連携をより深めることを目的に、お互い資本を入れてコミットしましょうというものです。

一方、株式の持ち合いとは買収防衛策や株主圧力緩和を目的に、事業上の繋がりが薄い中で(当事者は強いと主張しますが)、お互い資本を入れて山賊たちから共同で村を守りましょうというものです。

資本提携の影響は?

投資家の皆さんが寝ても覚めても気になるのは株価でしょう。
資本提携発表後の株価の動きを見てみたいと思います。
参考にしたのは2017年の4月までに発表された両社とも上場企業である資本提携の事例です。

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それらを時価総額を横軸、発表後1週間の時価総額増減を縦軸にマッピングしたものが下記になります。
(長期間で株価を見ると資本提携以外の要素が入り込んでしまうので今回は1週間で株価の増減を見ています) 

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 多少のブレはありますが、L字を描くようなマッピングになっており、基本的に時価総額が小さい方が資本提携のプラスインパクトが大きいということが分かります。 

なぜ資本提携は中小型株に有利なのか?

市場は資本提携がどの程度企業にインパクトがあるかという点を見定めています。
ちょっとした資本提携であれぼ大型株へのインパクトというのはイマイチよく分かりません。 
以前にもご紹介した通り、大型株は複数の事業を運営しています。

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ちょっとした資本提携では、所詮一事業にこれまたちょっとした影響がある程度です。
従って、資本提携=事業へのプラスインパクト≠企業へのプラスインパクトになってしまいます。 

一方、目的が明確であればほぼ単一事業(もしくは2,3事業)である中小型株は、資本提携=企業へのプラスインパクトという式が成り立ちます。

勿論、大型株も気合いを入れた大型資本提携であれば=企業へのプラスインパクトとなることもあります。
例えば、任天堂とDeNAの資本提携が良い事例かと思います。 

f:id:con_invester:20170401140210p:plain両社とも発表直後から大きく株価(時価総額)が上昇しています。
これは元々スマホゲームに消極的であった任天堂が、DeNAというスマフォゲーム領域での強力な仲間を得てたこと
又、DeNA側から見ても、任天堂の持つ銀河系軍団(キャラクター達)を活用できるということで、両社に大きな収益拡大可能性を予感させたことによるものと想定されます。 

但し、両社とも220億円相当を取得したとされており、かなりレアケースであるということを肝に銘じておくべきだと思います。
(幾重にも連なる社内稟議を通し、それこそ何十回と会議をこなし、抵抗勢力を抑えつけ、甘い蜜に呼び寄せられたコンサルファームや投資銀行から「他社とのシナリオも検討した方が・・・」なんて魔術を掛けられそうになりながら、漸く踏み切った提携です。考えただけでも寒気がします。)