経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

コメダホールディングス(3543)企業分析①

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今回はコメダホールディングス(3543)の分析を行いたいと思います。

コメダホールディングス(以下、コメダ)は東証1部上場で、時価総額は791億円(2017/4/8現在)

 

企業概要

コメダは名古屋発祥の喫茶店で、郊外の路面店中心の店舗展開とボリューミーなモーニングが特徴的です。

コメダは2016年6月に上場したばかりで、日系PEファンドのアドバンテッジパートナーズ⇒韓国系PEファンドのMBKパートナーズ⇒上場という株主の変遷を辿りました。

ファンドtoファンドのDealがあったということで、分析甲斐がありそうです。

 

事業概要

コメダは「コーヒーと共に自宅のリビングのようにゆったりとくつろげる空間」をコンセプトに店舗を展開しています。

店舗は森の熊さんの家の様な外装であり、郊外店が多いことから広大な駐車場も特徴的です。

内装は高い仕切りのボックス席でプライベート空間を演出したり、明るく開放感のある店舗デザインとなっています。

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隣の席と数cmしかスペースがなく、コーヒーの香りよりも隣の人の体臭が気になるスタバとは根本的に異なる店舗デザインとなっています。

また、コメダの場合は直営店で展開しているスタバと異なり、フランチャイズ方式(FC)での展開であり、直営店は飽く迄FC店を補完するためとしています。

 

業績

公開情報はFY15からとなっていますが、売上・利益共に順調に伸びているようです。

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ROSが低下しているのは、新規地域への進出に際し営業コストが増加した事が起因していると想定されます。

今までは名古屋を中心にドミナント戦略で知名度を徐々に広げながらという戦略でしたが、知名度が相対的に低い東日本・西日本に進出するには今までよりも当然コストが嵩みます。

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財務状態

業績は好調ですが、ファンドの息が掛かっていると言うことで、やはり気になるのは財務状態ですね。

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FY15のNet D/Eは健全水準0倍を上回る水準ですが、順調に減らしており、直近の決算では1.0倍を切る水準に回復しています。

 

「なんだ・・・ファンドの息が掛かっても財務良好じゃないか・・・」

と思った方は完全にファンドのカモですね。

下記はコメダホールディングスの資産内訳です。

一番大きな割合を占めるのが「のれん」です。

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コメダの変遷

コメダに「のれん」があることに違和感を持った方も多いかもしれません。
(念の為、「のれん」の定義についてリンクを張っておきます)

www.ifinance.ne.jp

 

その答えの鍵は、上場に際し日本取引所に提出することが義務付けられている「Ⅰの部」にありました。

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上記のように、コメダは非常に複雑な再編を辿ってきています

その過程で生まれた「のれん」という負の遺産を現在のコメダが背負っていることになります。

今回のケースが必ずしもそうであると言い切れませんが、複雑な再編というのはPEファンドの得意技でもあります。

サブプライムローンと同じ発想で、色んなものを一つの箱に入れて複雑化することで、一般人には到底理解できない”見た目だけが良い化け物”を作り出し、何食わぬ顔で売り捌くというものです。

 

僕自身はコメダ珈琲が大好きで、どの珈琲チェーンよりもよく行きます。

また収益性も成長性も高く、ビジネスとしても好印象です。

ですが、奥に潜む闇が見え隠れする中、大切なお金を投資することはできません。

次回は、のれんの意味合いについて再考したいと思います。