さて、前回の続きです。
(前回行いました不動テトラの分析はこちらになります)
市場見通し
これまでの繰り返しで恐縮ですが、国内の建設需要は短期的には東京五輪関連施設需要、都市部の建設プロジェクト需要、国土強靭化基本計画に伴うインフラ整備需要に支えられる形で、建設需要が堅調に推移していますが、2020年の東京五輪以降は縮小していくことが予測されています。
従って、建設関連の事業を展開する企業は、長期的に海外進出なくして明日はないというのは誰もが納得のところでしょう。
戦略
市場見通しについては、不動テトラ自身も事業リスクとして挙げています。
そのような中で不動テトラが見据えるのは東南アジアです。
FY16にはホーチミンとジャカルタに事務所を開設し、東南アジア市場攻略に向けて動き出しています。
IR資料によると、既に地盤改良工事を受注しているようです。(金額規模は不明)
売上構成比の推移を見ても、年々地盤改良事業の売り上げ構成比が上がっており(FY16は受注時期や工事進捗の遅れから地盤改良事業の割合は減少)、まずは地盤改良で東南アジアでの受注を積み重ねていき、徐々に地盤改良 + 土木のワンストップというダブル受注に繋げていく戦略なのではないでしょうか。
東南アジアを筆頭する海外事業展開は、既に多くの方が聞き飽きたワードかもしれませんが、中小型株の多くは海外に進出していない(又はほとんど売上が立っていない)企業がほとんどで、日本と対極に人口が増え過ぎて困っている市場に行けるかどうかといのは実はとても大きなポイントになります。
目標株価
最後に簡易的ではありますが、目標株価(ターゲットはFY19)について書いておきます。
現在の一株当たり純利益が12.2円、株価が200円(2017/3/29時点)、PERが16.4倍
利益成長率とPERの感応度分析結果が下記になります。
利益成長率は、国内:東南アジアの事業比率が8:2まで東南アジア事業が育った場合、9:1まで東南アジア事業が育った場合、ゼロ成長の3ケース
パーセンテージは0.52%(国内建設投資の直近3年のCAGR)と13.9%(インドネシア建設市場規模の直近3年のCAGR)を上記割合で加重平均
PERは東証1部平均値である9倍を最大値とし、現在値との平均値、現在値の3ケース
最大ケースだと227円という試算になりました。
FY19までと見た場合は国内:東南アジアの比率が8:2がマックスであろうと想定していますが、その後は更なる成長も見込めるので、227円以上に伸びる可能性は十分にあります。
とは言え、現時点で東南アジア事業がうまくいくかどうか読めない中では227円が一つの目安になるのではないかと考えています。