経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

アドバンテッジパートナーズによるメガネスーパー株売却の影響について

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昨日、APが変更報告書を提出し、16日、17日メガネスーパー保有株の一部を売却したことが明らかになりました。

本日はその影響について考えてみたいと思います。 

バイアウトファンドとは?

今回の売却の影響を探る上で、一度バイアウトファンドについての理解を確認しておきたいと思います。

バイアウトファンドは投資家から資金を集め、企業に投資すると共に経営改善を行い、企業価値を高めることでリターンを得るというモデルです。
ケースにも依りますが、一般的に一つの企業に対して5年程度は投資を行い、場合によっては経営陣を送り込むこともあります。
浮気性という性質を持ち、株主としての圧力を武器とするヘッジファンドとは似て非なるものです。

バイアウトファンドが売却するタイミングとは?

バイアウトファンドが売却するタイミングは大きく3つあると考えられます。
(あくまで上場株式の売却であり、非上場株式をIPOする場合や第三者に売却する場合を除きます)

①目標リターンを達成した時②ファンドのクロージング時期が近付いてきた時③投資前の仮説が大きく崩れた時

 

①や③は分かりやすいと思いますが、②が意外と忘れられがちです。
一部例外を除き、基本的にバイアウトファンドは自分の資金ではなく、投資家の資金を使って企業を買収します。
投資家は慈善団体やお金を貸したくでしょうがない銀行ではないので、ファンドの期限が来れば、投資家に資金を返す必要があります。
従って、どんなにお気に入りの銘柄でも永久に保有し続けることはできません

 では、お気に入りの銘柄は期限ぎりぎりまで持ち続けるかというと、これは100%ノーです。

 理由は2つで、需給バランスを崩さないような段階的な売却が必要であることと、市況というリスクを分散させるためです。
バイアウトファンドは経営改善に乗り出すという活動柄、相当数(多くはマジョリティー)の株式を保有します。
その相当数を一気に売却すると、需給バランスが崩れ、苦労して向上させた株価が大きく下落してしまいます。

また、どんなに素敵な銘柄も市況の波に晒されています。仮に期限ぎりぎりに何とかショックが起こったら間違いなく株価は下落してしまいます。そしてその何とかショックがいつ起こるかは誰にも分かりません。

 

 そういった背景から、市場に売却する場合は、仮に目標を達成した場合でも段階的に売却せざるを得ないのです。

 バイアウトファンド売却後の株価の推移

以前の記事でも書きましたが、バイアウトファンドは評判が命です。

con-invester.hatenablog.com

 「バイアウトファンドが売却した後は企業がボロボロになって株価は下落した」なんて悪評がたてば、そんなバイアウトファンドに買って貰おうとする企業や、被買収後にファンドに協力しようとする企業はいなくなってしまいます。

実際に、バイアウトファンドが買収した企業は、売却後もその他企業を上回る水準で株価が推移しているという統計もあるくらいです。

  

ここで僕が言いたい事は、なにも「バイアウトファンド最高!」ということではありません。
実際にハゲタカと言われても仕方がないファンドがいるのも事実です。
しかし、東京タワーもびっくりのハイスペックを持つスーパーエリートが真摯に投資先に向き合っているファンドがあるのもまた事実です。

 

メガネスーパー株への影響

さて、本題に戻りますが、APはこれまで段階的にメガネスーパーの株を売却してきているようです。
ファンドの期限は公開されていませんが、報道では2012年6月に投資期間終了とされており、おそらくその後5~6年程度で投資回収期間になると想定されます。

jp.reuters.com

 

また、過去のAPの案件を見てもだいたい5~6年くらいでEXITしています。
それらを踏まえて考えると、2012年に投資を行ったメガネスーパーも、見通しが良い悪いは別にして段階的に売却し始める必要があると想定されます。

 

「APが一部売却した」という事実が短期的に売りを誘う可能性はありますが、以前の記事でも書いたように、メガネスーパーは間違いなく企業として良い方向に動き出しているため、ここから下げ続けることはなく、ひとまず95円を目指すことになると考えています。 

con-invester.hatenablog.com

 最後に補足ですが、もし私がAPに勤めており、「今後株価が上がる見込みないし売ろう・・・」という理由で売却するなら、こんなにチマチマ売らず、文字通り「ぶん投げる」形で売却します。