今回は読者の方にリクエスト頂きましたツカモトコーポレーション(8025)について分析を行いたいと思います。
ツカモトコーポレーション(以下ツカモト)は東証1部上場で、時価総額は51億円(2017/3/27現在)
東証1部における時価総額下位順では41番目にあたります。(2017/3/27現在)
企業概要
ツカモトは和洋装の総合繊維商社になります。
例えば、和装(着物)であれば、子会社(しるくらんど)が縫製・加工し、それを小売店(京都きもの友禅等)に卸すという事業モデルです。
なお、洋装についても自社の子会社で縫製・加工しているため、以前ご紹介したコンドーテックと同様に「製造機能を持つ商社」になります。
事業構成
ツカモトの事業構成は和洋装事業で全体の約6割を占め、その他にインテリア・雑貨や健康器具を展開しています。
次回も触れますが、僕自身としてはホーム・ファニシング事業に注目しています。
これは、2008年に和装卸競合の市田という企業を買収した際に、市田が保有していた事業です。
市田の買収目的を「業界シェア拡大によるプレゼンス向上」としていましたが、ホーム・ファニシング事業が今後のツカモトの成長の鍵を握っていると考えています。
業績
業績は12-16にかけて何の抵抗もなく下落しています。
しかしながら、17年の見通しでは和洋装事業での収益性が改善し、なんとか下落に歯止めをかけている状況です。
但し、業績が悪化しているのはツカモトだけではないようです。
和装卸企業は軒並み苦しい状況に陥っているようです。
対象市場での事業戦略(戦い方)が悪いというより、そもそも張っている市場が悪いという経営戦略の問題のようです。
株価
そのような中、株価は100-200円の価格帯をレンジで動きながらも、ズルズルと下落しています。
財務状態
Net D/Eは上昇傾向にありますが、まだ健全性の目安である1.0倍を下回っている状況であり、すぐにどうにかなるという状況ではなさそうです。
現状を見ると、お世辞にも良い会社とは言えない状況です。
今後の株価は企業として将来的な成長を描けるかどうかに掛かっています。
次回は企業としての”脱皮”の可能性を踏まえ、目標株価について分析を行いたいと思います。