今回はダイイチ(7643)について分析を行いたいと思います。
ダイイチは東証JQS上場で、時価総額は68億円(2017/3/22時点)
企業概要
ダイイチは北海道の食品スーパーで、帯広、旭川、札幌に店舗展開しています。
2013年にイトーヨーカ堂と業務・資本提携を締結したことで話題になりました。(この辺は後ほど詳述します)
市場動向
食品スーパーでは、分散市場から寡占市場へと大きな動きが見られます。
元々食品スーパーは地域性が強く、画一的に店舗展開を行う全国チェーンが地方のシェアを伸ばすことができていませんでした。
一方、地方チェーンも節約志向が強まる中で、品質を落とすことなく、経営の効率化を追及する必要がありました。
そうした背景から、グループ化が進行していきます。
これが、ダイイチがイトーヨーカ堂と業務・資本提携した背景です。
業績
業績は売上、営業利益共に上昇傾向です。
同規模の食品スーパーと比較しても高い成長であることがわかります。
もう一つ、このグラフから気になるところが、同規模の食品スーパーは一社もマイナス成長になっていない点です。
これは、食品市場が伸びているというよりも、高品質と低価格を同時に求める顧客ニーズに対応できない個人経営店等が淘汰された結果、チェーン店がその分の需要を吸収(=シェア拡大)した結果であると想定されます。
ちなみに、食品スーパーも卸と同様に薄利ビジネスですが、ダイイチは同規模の競合と比較して高い利益率と言えそうです。
他社と比較して利益率が高い要因はひくつかあると思いますが、食品スーパーの場合は「惣菜」の売上割合が多いという可能性が高いです。
(自社にて加工を行う「惣菜」は総じて利益率が高いため)
地域住民の「惣菜」を買う嗜好というのは、急激に変化するものではないので、今後も相対的に高い利益率が継続することが予測されます。
業界再編の中で大手企業と提携を行い、更なる収益性向上が見込まれる中、顧客ニーズに対応できないプレーヤーの淘汰(=シェア拡大)が起こる等、今後も成長が期待できると言えそうです。
次回は市場見通し及び株価推移・水準を踏まえた目標株価について分析を行いたいと思います。