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経営コンサルの割安株分析

元経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

ロックペイント(4621)企業分析②

さて、前回の続きです。

(前回行いましたロックペイントの分析はこちらになります)

 

con-invester.hatenablog.com

 

自動車補修用塗料市場の概要

ロックペイントは自動車補修用塗料を主戦場としており、新車用とは全く異なる力学が働いています。

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補修用の売り先は補修業者、新車用は自動車メーカーであり、補修用は汎用製品を大量生産して販売する一方、新車用は自動車メーカーと協業し、車種毎に配合を変えたオーダーメイド品を販売しています。

補修用は付加価値が付け難いため販売競争がありますが、規模の経済が働きます。

新車用は採用された自動車の販売台数の分だけ数量は捌けますが、採用車の売れ行きに大きく左右されることに加え、自動車メーカーとの価格交渉に常に晒されています。

 

市場見通し

自動車補修用市場は、自動車ストック台数に依存します。

残念ながらカーシェアの普及等により自動車ストック台数は減少が予測されています。

日本エネルギー研究所によると2050年までに7,600万台から6,200万台に減少することが予測されています。

http://www.jari.or.jp/Portals/0/resource/pdf/H23WS/WS_120329_03jp.pdf

 

戦略オプション

このような状況下で、教科書的には「アジア進出」が1つの有力なオプションになると思われますが、アジアでは多少の傷がついても補修しないことが多く、意外なことに市場ポテンシャルは高くありません

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今後中間所得層の増加は見込まれているものの、所得の増加に伴う補修文化の確立と、シェアリングエコノミーの発展に伴う自動車ストック台数の低下を併せて考えると、決して魅力的な市場であるとは言い切れなさそうです。

 

各社の動向

そうした中、日本の2大メーカーはと言うと、市場規模・成長性が見込まれている海外における建築塗料事業の強化を掲げ、複数の企業買収を行っています。

一方で、相対的に海外事業経験や建築塗料事業における競争力が低いロックペイントが、いきなり海外の建築塗料領域に殴り込みに行くというのは中々難しいでしょう。

となると、乱立する国内の小規模建築塗料メーカーを買収しながら、まずは国内の建築塗料事業を拡大していくというのが有力オプションと考えられます。

 

目標株価

最後に簡易的ではありますが、目標株価(ターゲットはFY19)について書いておきます。

現在の一株当たり純利益が69.4円、株価が715円(2017/3/21時点)、PERが10.3倍

 

利益成長率とPERの感応度分析結果が下記になります。

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利益成長率は、今後原油価格上昇に伴う原材料費の上昇が予測されるため、マイナス成長2ケース(-1.0%、-0.5%)とゼロ成長の3ケース

PERは競合企業であるエスケー化研の15.6倍を最大とし、現在値、競合企業である大日本塗料の8.4倍の3ケース

 

 

市場環境が今後悪化していくことが予測される中、次なる打ち手が明確にされておらず、且つ創業家が約60%もの株式を保有しており、市場からの圧力も受けにくいことを考えると、このまま新たな戦略が示されないということも予想されます。

 

最大ケースだと1,083円いう試算ですが、個人的な見通しとては悲観的で、新たな戦略が示されるまでは現状が高値だと踏んでいます。