個人投資家がプロの機関投資家に如何にして勝つか。
それは機関投資家の"死角"である中小型株にフォーカスすることです。
なぜ中小型株は機関投資家の死角なのか?
中小型株が機関投資家の"死角"(=投資対象でない)である理由は「投資資金を十分に吸収できない」からです。
ヘッジファンドを除く機関投資家は、基本的に出資比率を数%に留めて投資を行います。
数十%も買い占めると、筆頭株主として経営関与という業務が発生することに加え、売却時に需給が崩れ、自身の売却により値が下がってしまいます。
出資比率を数%に抑えながら機関投資家の莫大な運用資金を中小型株が吸収するためには、かなりの数の企業に投資する必要があります。
投資先が増えれば増える程分析に掛かる費用は増加します。
例えば一企業への出資比率を2%以内にすると仮定した場合、
トヨタ一社で4,000億円(20兆円 × 2%)まで資金を吸収できます。
一方、同じ金額を中小型株(時価総額100億円)で吸収しようとすると、
2,000社(4,000億円 ÷ (100億円 × 2%))に投資する必要があります。
規模の大小に関わらず、分析の負荷は変わりません。
合理的な判断をすれば、当然機関投資家は大型株に投資するわけです。
機関投資家と勝負しないということ
機関投資家はプロです。
「サルに銘柄選定をさせても結果は同じ」等、様々は説が叫ばれていますが、
やはりプロはプロ。彼らにお金を払いたいと思う人がいる以上、素人とは一線を画すスキルやノウハウを持っていると考えることが自然でしょう。
また、彼らは個人投資家が持っていない情報網(インサイダーへのアクセスシビリティ含む)も有しています。
競争こそ正義と言われていますが、利潤を最大化する上では競争を"しない"ことが唯一絶対の正義です。
プロである 機関投資家との競争はせず、彼らの"死角"をつく。
つまり中小型株への投資が個人投資家にとって最善の投資スタイルだと考える次第であります。