さて、前回の続きです。
(前回行いましたタケダ機械の分析はこちらになります。)
市場環境
製品の用途(対象市場)割合は公開されていませんが、IR上のコメントを拾っていくと建設需要が主であると想定されます。
国内は東京五輪関連施設需要、都市部の建設プロジェクト需要、国土強靭化基本計画に伴うインフラ整備需要に支えられる形で、建設需要が堅調に推移していますが、2020年の東京五輪以降は縮小していくことが予測されています。
置かれている状況は前回分析した高橋カーテンウォールと同じですね。
戦略志向
タケダ機械が掲げる方針は①OEM製品の供給強化、②海外売上高の飛躍の2つになります。
この2つの方針を実現するためにキーになるのが、「高い技術力」および「アマダとの提携」になると考えています。
①OEM製品の供給強化
そもそも「高い技術力」によって実現した「アマダとの提携」ですが、名門アマダに認められたことにより、その技術力にハクがつきました。
今後も名門アマダに認められたタケダとしてOEM製品事業は成長していくものと想定されます。
②海外売上高の飛躍
インフラ整備関連・近代化プロジェクト需要を取り込むべく、中国、韓国、台湾、東南アジアにおける事業強化を掲げています。
その中でやはりキーになるのが、「アマダとの提携」だと考えています。
現状売上の100%が国内であるタケダ機械にとって、アジアで既にプレゼンスを持ち、資金力のあるアマダと深い関係を構築できていることは非常に有意義だと思います。
タケダ機械とアマダは資本関係にないため、完全なおんぶにだっこ状態とはいきませんが、少なくともアジア市場の開拓という文脈で何らかの支援があってもおかしくありません。
やはり技術の高さとは何物にも替えがたい資産であるため、オペレーション面や資金面で何らかの支援を受ければ大きく飛躍する企業になるのではないでしょうか。
目標株価
最後に簡易的ではありますが、目標株価(ターゲットはFY19)について書いておきます。
現在の一株当たり純利益が7円、株価が269円(2017/3/17時点)、PERが6.6倍
利益成長率とPERの感応度分析結果が下記になります。
利益成長率は、国内建設投資の直近3年の0.52%を最大値とし、その半分の0.26%、ゼロ成長の3ケース
(国内建設投資を前提にしているのは直近3年で海外事業が急拡大するということは考えにくいため)
PERは競合企業の平均値15.8倍を最大とし、2015年7月に直近高値を付けた際のPER12.0倍、現在値の3ケース
最大ケースだと652円と現在の2.4倍という試算ですが、次の3年で少しでも海外事業の成長が確認できれば十分現実的な目標かと思います。