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経営コンサルの割安株分析

元経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

メガネスーパー(3318)企業分析②

さて、前回の続きです。


(前回行いましたメガネスーパーの分析はこちらになります。)

con-invester.hatenablog.com

 

戦略志向

メガネスーパーは「眼の健康寿命」を延ばすために必要なあらゆる解決策(=商品・サービス やアドバイス)を提供することが使命とする「アイケアカンパニー宣言」を行います。

眼鏡市場が縮小し、3プライスチェーンが勢力を拡大していく中で、「眼鏡」というフィールドから「アイケア」というフィールドに戦う場所を変えたということになります。

 

戦略論では「どのように競合に勝か」という点を重視しますが、利潤を最大化するためには「どのように戦わずして利益を得るか」という視点が非常に重要になってきます。 

そのため、個人的には「アイケアカンパニー宣言」というものに非常に好印象を持っています。

 

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メガネスーパーの今後の方向性としては大きく2つになります。

①既存事業におけるCash創出、②次世代の収益の柱の構築

 

①既存事業におけるCash創出

次世代の収益の柱も1日2日でできるものではありません。

従って、まずは既存事業において勝ち抜き、最低限のCashを創出する必要があります。


まずは3プライスチェーンとの差別化を図るべく、丁寧な検眼、フィッティング、そして手厚い製品保証サービス等を提供しています。

また、富山を地盤とする地方チェーンであるメガネハウスの買収を行う等、地方で一定の品質を求める顧客層を抱える同業を取り込んでいます。

www.nikkei.com


②次世代の収益の柱の構築

次世代の収益の柱を構築する上で、メガネスーパーは自社の強みを「700万人の顧客データ」としています。

自社の持つ「700万人の顧客データ」を活用し、製薬や医療機器メーカーをはじめ、デジタル機器やITベンダー等と戦略的アライアンスを組むことで、新規事業の立ち上げを志向しているようです。

 

僕自身、コンサルティング経験の中で、クライントのCEOや事業部のトップの方たちが「顧客データが競争優位性の源泉である」と口を揃えていたこともあり、既にそうした源泉を保有しているメガネスーパーは、非常に上手いポジショニングを取れるのではないでしょうか。

 

但し、そうした新規事業が未知数であり、ウェアラブル端末というような迷走感漂う製品を開発したり、マトリック右下の施策がやたら話題になったりと、まだまだ先行きは不透明だと考えています。

 

参考までにですが、このウェアラブル端末は同じアドバンテッジパートナーズ傘下のザクティの技術を活用するという目的が強かったように思います。

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ザクティは2013年に三洋電機から買収したデジタルカメラOEMメーカーであり、トレンドに乗って、ウェアラブル端末を開発したいと考えていたのではないでしょうか。

 

目標株価

新規事業が未知数であるとは言え、自社の強みを明確にした上でより競争が少ないフィールドに移るという意思決定を行ったことは非常にポジティブだと考えています。

 

一方、新規事業の成否を上回るであろうインパクトがあるのが、アドバンテッジパートナーズのExitになります。

ファンドである限り必ずいつかはExitします。

アドバンテッジパートナーズが資本参加を決めた時点で、劣後株式と新株予約権の行使による希薄化率は計298%となると言われていました

jp.reuters.com

ちなみに、本新株予約権には希薄化の影響を最小限にすべく、アドバンテッジパートナーズに対して様々な条件が儲けられており、メガネスーパーの指示があって初めて権利が行使できるよう設計されています。

 

新株予約権の行使価額は一株95円に設定されていますが、株価の上下動によって修正される設計になっているので、アドバンテッジパートナーズとしては、下方修正されたタイミングで権利を行使したいところでしょう。

 

一方で、バイアウトファンドは評判が命なので、ここで下手に貪欲さを全開にするよりも、投資先と良好な関係でExitしたいという論理が勝りそうです。
(企業再生したという実績面からも、下方修正したタイミングで権利を行使することは躊躇するのではないでしょうか)

 

以上から、アドバンテッジパートナーズの行使価額を一株95円に設定することも十分に説得力があると思います。

95円に達した時点でアドバンテッジパートナーズが売却を始めるとすると、そこが1つの壁になるのではないでしょうか。

当然アドバンテッジパートナーズも需給面を最大限考慮した上で、徐々に売却を進めると想定されるため、絶対に95円を超えないと言うわけではありませんが。

(現に2017年2月10日に107円を付けています。)

 

戦略志向でも触れましたが、メガネスーパーは間違いなく企業として良い方向に動き始めました

ですが、アドバンテッジパートナーズが持つ新株予約権による希薄化を考慮する必要があるため、目標株価を95円という風に考えています。