さて、前回の続きです。
(前回行いました澤田HDの分析はこちらになります。)
モンゴルの経済動向
モンゴル経済は直近こそ成長が減速していますが、来年以降で再び成長軌道に乗り、長期的に経済が拡大していくことが予測されています。
また、経済の成長エンジンである人口も増加していくことが予測されています。
一方で、豊富な鉱物資源に恵まれ、鉱業が経済の柱でもあるモンゴルにとって、直近の資源価格下落は経済への打撃となっている模様です。
また、それと重なる形で、外貨規制や政治的な混乱があり、外貨準備高が大幅に減少する等の状況に直面しています。
短期的に経済・政治面に不安定要素があるとは言え、高い経済成長が見込まれているため、澤田HDは長期的に見て有望な市場に張っていると言えるかと思います。
金融業界の動き
澤田HDを分析する上で、もう一つ気になるのが金融業界の動きです。
特にリーマンショックを境に主張されている、「大きすぎて潰せない」金融コングロマリットの解体論です。
そもそも金融コングロマリットは各事業間で利益相反になり兼ねないという予てからの主張と、「大きすぎて潰せない」ことでモラルハザードが助長されるということで、解体論が囁かれるようになりました。
下記の記事に分かり易く纏められているので、ご参照下さい。
澤田HDの時価総額は420億円程度と、金融機関にしては小サイズですが、今後2,3倍と時価総額が膨れ上がっていくことになれば、当然議論の対象になってくると想定されます。
また、澤田HDは企業戦略がIR上で語られていないことも今後の動向を探る上で不安要素でもあります。
目標株価
最後に簡易的ではありますが、目標株価(ターゲットはFY19)について書いておきます。
現在の一株当たり純利益が168.0円、株価が1,032円(2017/3/15時点)、PERが6.1倍
利益成長率とPERの感応度分析結果が下記になります。
利益成長率は、モンゴルの経済の成長率(同期間)3.18%を最大値とし、その半分の1.59%、ゼロ成長の3ケース
PERは2013年12月に株価が直近高値を付けた際の9.3倍を最大とし、現在値との最大値の平均、現在値の3ケース
利益成長3.18%、PER9.3倍ケースだと株価が1,718円と現在から+70%まで上げることになります。
当然これからモンゴル経済や政治面で悪材料が出てくる可能性があります。
悪材料が出て下がったところで買いに行くというのが1つの戦略になるかと思います。
個人的にはモンゴル経済は長期的に成長していくと確信しているので、1,200~1,300円のレンジを抜けるまでは買いと考えています。