今回は大塚家具(8186)について分析を行いたいと思います。
大塚家具は東証JQS上場で、時価総額は192億円(2017/3/13時点)
企業概要
元々、大塚家具と言えば、会員制で「店員が顧客について回る」接客方法で高価格帯の家具を販売することで成長してきました。
ところがニトリやイケア等の低価格商品が市場を侵食し始めると、大塚家具の業績が低迷します。
打開策を模索する中、中価格帯まで展開すべきとする現代表取締役の久美子氏と、高価格に注力すべきと考える創業者で久美子氏の父でもある和久氏が対立します。
この対立が少し前まで世間を賑わせていたお家騒動です。
結果、和久氏が会長職を辞職し、久美子氏が代表取締役として会社を運営しています。
業績・株価
FY15はお家騒動の「お詫びセール」と称して行ったセール等を連発し、黒字を確保したものの、その反動もあり、FY16は大幅な赤字に転落しています。
とは言え、大塚家具の財務基盤は未だ健全であり、FY16水準の損失を後3年続けても債務超過に陥ることはありません。
株価は久美子氏が経営権を握った2015年3月に2,043円を付けますが、その後は上下動を繰り返しながら徐々に下落していき、直近は1,000円付近で動いています。
少し話はそれますが、企業分析に定評のある藤野氏が率いるレオスキャピタルも大塚家具に投資しており、先日のカンブリア宮殿にて藤野氏が大塚家具を注目株として紹介すると、翌日の株価は急反発しました。
財務は未だ健全だが、業績および株価は低迷という状況は、株主からの圧力があり、打ち手の自由な選択が非常に困難になります。(長期的な打ち手より、短期的な打ち手を要求される)
僕自身、経営コンサルをする中で、このような状況に追い込まれる経営者に対峙した経験もあります。
財務が健全とは言え、何等かの変革なくして未来はありません。
今後、久美子氏がどのようなビジョンを掲げ、アクションを取るかということは投資家としても、元コンサルタントとしても非常に興味深いです。
次回は、大塚家具の戦略志向と市場の動向を踏まえ、大塚家具の株価の見通しについて分析を行いたいと思います。