今回は、相模ゴム工業(5194)の企業分析を行いたいと思います。
企業概要
相模ゴム工業は、神奈川県厚木市に本社をおくコンドームの大手メーカーです。
1933年に日本で最初に天然ゴムラテックス製コンドームの製造・販売を開始したメーカーであり、相模ゴム工業のコンドームは、世界約80ヶ国で愛用されているそうです。
男性なら「サガミオリジナル」と聞けばピンと来るのではないでしょうか。
そんな相模ゴム工業は、東証2部上場で、時価総額は246億円(2018年5月28日時点)です。
事業概要
コンドームのイメージが強い相模ゴム工業ですが、実は、食品などの包装フィルムや事務用のファイルなどプラスチック製品事業も展開しています。
とは言え、コンドームを製造・販売するヘルスケアセグメントの売上規模が40億円程度である一方、プラスチック製品事業は10億円程度となっており、コンドームメーカーであると言って間違いない事業構成になっています。
余談ですが、相模ゴム工業が、日本のセックス事情について調査・発表している「ニッポンのセックス」は、非常に興味深い内容になっているので、万が一興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、下記リンクからご覧ください。
業績
そんな相模ゴム工業の業績ですが、売上、利益共に順調に増加傾向で推移しています。
コンドーム工業会のデータによると、コンドームの国内出荷量自体は、高齢化や「草食男子」の増加により、2006年をピークに2014年まで減少傾向にあったようです。
その後、なんとか下げ止まり、現在は2014年から微増傾向で推移している模様です。
(この辺の市場環境は次回詳述します)
「コンドームと言えばサガミオリジナルではなくオカモトだ!」だと仰る方もいらっしゃるかも知れませんが、それは個々人の趣味なので、僕は投資家としてPLの観点から「なぜサガミオリジナルなのか」を説明したいと思います。
下記は、相模ゴム工業の「ヘルスケア事業」のROSと、オカモトの「生活用品事業」のROSを比較したものになります。
オカモトの「生活用品事業」には、相模ゴム工業の「ヘルスケア事業」とは異なり、コンドームの他に、カイロや石鹸などなど様々な事業が含まれているので、apple to appleの比較とはなりませんが、相模ゴム工業のコンドームの収益性がどれだけ高いかがよくわかります。
また、投資家としての視点をもう一つ加えると、ピュアにコンドーム市場の将来性に魅力を感じるなら、いろいろごちゃ混ぜになっているオカモトよりも、コンドームが全体の8-9割を占める相模ゴム工業に投資すべきなのです。
株価
相模ゴムの株価は2016年8月以降上がり続けており、2年弱で約5倍になっています。
おそるべし、コンドーム事業。
今回は、相模ゴム工業の企業概要を見ていきました。
次回は、市場環境や見通しを踏まえ、目標株価について分析していきたいと思います。