さて、今回は読者の方から頂きました質問に答える回にしたいと思います。
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はじめまして。
とても勉強になるブログをありがとうございます。
質問をさせていただきたいのですが、企業価値をしっかり分析をおこない中長期の保有を前提としたこの投資法において、損切りについては、どのように考えて、どのようにされているのかを教えていただけませんでしょうか?
自分自身も同様の投資法を目指していますが、いつも迷ってしまいます。
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バリュー投資家の象徴であるウォーレンバフェットやピーターリンチは、「投資するからには墓場まで持っていく覚悟が必要だ」と言い切ります。
ですが、残念ながら我々一般人は、彼らのような才能がないので、当然墓場に行く前に、自分が投資した銘柄を売却するタイミングがやってきます。
売却のタイミングは「分析の前提が崩れたとき」
では、それはどんなタイミングなのか。
結論から先に言いますと、それは「分析の前提が崩れたとき」になります。
アウトサイダーである我々は、市場に出回る数少ない情報で分析を行う必要があります。
従って、分析においては、多くの前提や仮説を置いて分析を進めていかなければなりません。
その多くの前提や仮説が積み重なって、「投資する」という結論にたどり着いているため、それらが誤っていた、あるいは変化したとなれば、当然結論も変わってきます。
例えば、
・競合がいないブルーオーシャンでの事業展開⇒当市場に大手企業が参入してきた
・ブランド力があり価格コントロールができる⇒競合の値下げに追従した
・市場が伸びるためその企業も市場と一緒に成長する⇒市場の伸びが停滞
・固定比率が高く売上が伸びてもコストは一定⇒売上と共にコストも上昇
などなどです。
僕自身は、分析の前提が崩れれば、含み益であろうと、含み損であろうと容赦なく売却します。
また、僕の周辺にいるバリュー投資仲間に聞いたところ、自分自身の分析スキルが上がり、これまで気付けなかったことに気付き、評価点が変わったなどの理由で売却するという人もいました。
いずれにせよ、「含み損がXXX万円になったから売却する」ということはしません。
逆に、前提が崩れていないのに、株価が下落するのは、買い増しチャンスと捉えています。