経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

クックパッドのデータビジネス「たべみる」のすごさ

前回のクックパッドの分析記事を読んで頂いた読者の方々から「クックパッドが展開するデータビジネスについてもう少し深く解説すべし!」との有難い問い合わせを頂いたので、今回は改めてクックパッドのデータビジネスについて深掘りしたいと思います。

(クックパッドの分析記事はこちら)

www.con-invester.com

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クックパッドが売っているのは検索データ

クックパッドはユーザーの検索データを企業に売っています。
クックパッドの検索データというのはユーザーの食べたい・作りたいが濃縮されています。
それも単純に「カレー」が何回検索されたかというデータではなく、いつ、どこで、どういう属性の人が、どんな食材と一緒に「カレー」を検索したかまで分かるのです。

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クックパッドがすごいのはそのデータをユーザーに課金しているサービスで取ってきていることです。

通常、データというのは何らかの金銭を差し出すことで調達します。例えばポイントビジネスなんて正にそれですね。
しかし、クックパッドの場合はデータビジネスだけ切り取れば原価ゼロなわけです。(もちろん、データ蓄積に掛かるサーバー代や分析コストはありますが)

月30万円でも企業はお得

そうして集めたデータを色んなメッシュで分析できるようなツールで提供しています。

「いやぁ分析ツールに月30万円は高いよ。。」と思われるかもしれませんが、それでもデータの買い手である企業からしたらお得なのです。
その理由は、クックパッドにお金を払わなければ結局それ以上のお金をどこかに払うことになるからです。

食品メーカーの例

代表的な例は食品メーカーです。

新製品を開発する際に、当然顧客調査を行います。
顧客調査のやり方としては、どこかの会議室を借りて、モニターを集めて、試食をして貰って、アンケート取ってと。で最後に何かしら商品券なりを渡すわけです。
これだけで人件費、会場費、商品券代と数十万円かかるわけです。
しかも、その結果収集できるデータの量も少なければ、サンプルの偏りも出てしまう。
意味があるかどうかも分からないことに数十万円使うなら、クックパッドの分析ツールを使おうとなるわけです。

しかも顧客調査の場合は一回一回お金が必要ですが、クックパッドの分析ツールは月額課金制なので何回でも使えると。これは調理器具メーカーも同様です。

ちなみにHP上公開されている事例では、明治HDやキッコーマンの名前が挙がっています。

小売店の例

小売店もposデータで「自社で」どんな商品が売れているかを把握することはできますが、「他社で」どんな商品が売れているか(=市場で何の需要があるか)までは把握できません。
もしかしたら、自社が取り扱ってない(取り扱いが少ない)商品で、近くの競合店がバカ稼ぎしているかもしれません。
クックパッドの場合だと、地域別に需要が把握できる(それも相当な精度)ため、いくつかの記事を検索すると、クックパッドの分析ツールを使って品揃えを最適化したところ売上が伸びたなんて記事が出てきます。

結局のところ、月々クックパッドに支払うお金以上に売上(利益)が上がればそれで良いです。

Winner takes all

こうしたプラットフォームを活用したデータビジネスは勝者総取りです。
GoogleやFacebook、Amazonがこれを象徴しています。
Amazonに至っては、Amazonエフェクトと、その一挙手一投足に注目が集まっていますが、「食」という我々の生活から切っても切り離せない領域で圧倒的なシェアを誇るクックパッド。
総取りしたデータでユーザーも、その売り先も益々ハッピーになる絵が描ければクックパッドエフェクトと言われる日も夢じゃないと思います。